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踏ミ出シタソノ足ハ改

踏ミ出シタソノ足ハ改<Prologue>

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〈prologue〉

 
 
 私が親友、篠山啓《しのやまけい》の夢について聞いたのは、もう二年ほども前のことだった。
 その時の天気や周りの状況、そんなものはすでに霞んでしまっているけれど、啓の表情だけはよく覚えている。少し息を弾ませ恥ずかしそうに――けれど楽しそうに話す啓は、これまでに見たことのない輝きを放っていて、思わず「凄いね」と口に出していた。
「うん」と悪びれずに答える啓は、なぜかとても眩しく、どこか羨ましく思える。
 けれどそれと同時に、この人は私とは違うという思いが、心の底からわきあがっていたのを覚えている。

 進学、就職、将来、夢。
 そんな言葉を少しずつ周りで聞くようになった。
 高三にもなると誰もが将来に向けてせわしなく、抜け目なく動き回り、――その中で私はただ一人、取り残されているのではないか。そう感じる時があった。ただ一人、時間が止まっているような、そんな錯覚を時たま覚えることがある。
 同じように学校に来て、机に向い、教師の話を聞きノートを取っていたとしても、それを得て先に進んでいく人と、それだけの人がいる。私は間違いなく後者の人間だ。何の目標もなく、ただ惰性のように勉強を続けているのに、新しい目標を見つけようともせずに、ただのうのうと毎日を過ごしている。
 自分と悩んでいることは違うけれども、同じような悩みかたをしている主人公に「それに気づいた時点で第一歩だよ」という言葉が投げかけられる物語をどこかで読んだ記憶がある。ならば確かに、これが第一歩なのかもしれない。けれどなぜ、次に踏み出すための足がどこにも見えないのだろう。
 第一歩を踏み出したはずなのに、二歩目を踏み出す足はどこにもないというのだろうか。
 
 ――二歩目を踏み出せない一歩は、もはや一歩と呼べないのではないだろうか。




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